工程カバレッジ
一貫対応主要な製造・検証工程を社内で完結。重要寸法や機能を複数サプライヤーに分断する必要がありません。
- CNC加工(3軸・5軸):ブラケット、ハウジングから複雑形状・薄肉部品まで、金属・樹脂の精密加工。
- スイス型自動旋盤加工:同軸度や表面粗さが重要な、長尺・細径部品に最適。
- 射出成形、輸出向け金型、ラピッドツーリングにより、試作から量産意図の金型まで対応。
- 真空注型、3Dプリント、レーザー加工、砂型鋳造で、コンセプト検証や構造サンプルに対応。
試作から量産まで · ISOに基づく一貫対応
CNC加工(3軸・5軸)、スイス型自動旋盤加工、射出成形、輸出向け金型、ラピッドツーリング(簡易金型)、測定・検査 ― ISOに基づく品質マネジメント体制のもと、工程条件と検証方法を明確化し、初品検査(FAI)からリピート生産まで、公差・納期・リスクを一貫して管理します。
まず技術情報を確認したい方へ: 設計・材料ガイド や、 自動車・航空宇宙・医療・電子分野の事例 をご覧ください。
視覚的に確認したい方は、 測定設備スナップショット (三次元測定機、ハイトゲージ等)をご覧ください。
お戻しする内容: 公差・材料・表面処理・治具を含むリスク重視のDFMコメントと、社内の工程条件に適合するか、必要な調整点を明確にお伝えします。
主要な製造・検証工程を社内で完結。重要寸法や機能を複数サプライヤーに分断する必要がありません。
公差は「一律の数値」ではなく、工程・形状・測定方法の前提とセットで定義します。
RFQ(見積依頼)/DFM(製造性検討)段階で実加工エンベロープを定義し、大型・薄肉・高アスペクト比部品を適切な工程条件に割り当てます。
形状難易度、材料、表面処理、検査レベルなど、主要ドライバーを明示した上で納期を提示します。
エンジニア向け判断サマリー
本表はRFQ(見積依頼)およびサプライヤー選定段階における、エンジニア視点の判断を目的としています。 各工程ごとに、対応サイズ目安、実現可能な公差レンジ、適した用途、工程管理のポイント、検査結果および提出可能な資料を要約しています。
記載数値はあくまで目安です。案件ごとに 無料の製造性レビュー(DFM) にて、治具構成・加工安定性・管理条件を含め最適条件を確認します。DFM(製造性)確認
| 工程 | 最大サイズ目安(mm) | 一般的な公差レンジ | 主な用途・適用部品 | 工程管理のポイント | 検査結果 | 提出資料 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| CNC加工(3軸・5軸) | 一般的に1軸あたり約300~400mm程度までの精密部品に対応。より大型の場合はDFM段階で治具構成と加工安定性を個別検討。 | 一般部で±0.05mmクラス。基準面・嵌合部などの重要箇所は、基準設計・治具構想・管理計画を前提に±0.01mmレベルまで対応可能。 | 精密ハウジング、ブラケット、ベースプレート、治具、金属・樹脂部品など、位置精度・平面度・幾何精度が要求される部品。 | 材質・肉厚・アスペクト比に基づく加工条件設定。治具、ツールパス、冷却・熱変位管理によりCTQの安定化を図る。 | CTQ寸法のCMM測定、必要に応じたゲージ検査、図面指定に基づく硬度・材質確認。 | FAI/検査報告書、CTQ管理項目、材質証明書、表面処理証明書(要望時)。 |
| スイス型自動旋盤加工 | 長尺シャフト、ピン、ブッシュなど。機械のバー材対応径内で、微細径から一般的な自動車用締結部品サイズまで対応。 | 適切な形状条件下で、径公差±0.005~0.01mmが目安。長さ寸法や二次加工部も図面・ゲージ戦略に基づき管理。 | 量産ピン、シャフト、ブッシュ、ファスナー系部品など、同軸度・振れ・表面粗さに厳しい精密旋削部品。 | ガイドブッシュ最適化、工具摩耗管理、CTQに対するCpk管理。基準に対する振れ・同軸度のリアルタイム確認。 | 重要径・振れのゲージ記録またはCMMデータ、要望に応じたSPC/工程能力データ、ロット別抜取記録。 | 自動車向けPPAP/FAI形式資料、管理計画に基づく寸法サマリー、材質・熱処理証明書。 |
| 射出成形 / 輸出金型 | 小型精密部品から中型ハウジングまで対応。製品サイズに応じて金型サイズ・成形機トン数を選定し、冷却とキャビ配置のバランスを確保。 | 一般的に±0.05~0.10mm。より厳しい局所公差は、樹脂特性・肉厚・ゲート位置・スチールセーフ設計を前提に検討。 | 機能部品、クリップ、ギア、筐体、外観部品など。量産対応およびOEM/Tier向け輸出金型。 | 必要に応じたMoldflow解析に基づくDFM、ゲート・冷却バランス設計、トライ後のスチールセーフ調整、基準マスター管理。 | キャビ別寸法測定、スチールセーフ管理記録、トライ(T0/T1…)レポート、外観検査記録。 | 金型設計レビュー記録、成形条件(推奨レンジ)、FAI/工程能力資料、輸出金型一式ドキュメント(要望時)。 |
| ラピッドツーリング | 工具寿命は限定的だが、最終形状に近い検証が必要な小~中型部品。サイズはDFM時に確定。 | 量産金型に近い公差目標を設定しつつ、金型材質・想定ショット数に応じた現実的な限界を考慮。CTQは案件別に定義。 | 設計検証、ブリッジ生産、プレ量産など、スピードとコストを優先しつつ形状再現性が求められる用途。 | 短納期を重視した金型構成・鋼材選定、簡易冷却・排出設計。重要嵌合部や外観要求は事前に明確化。 | 主要寸法のサンプル測定、限定的なキャビバランス確認、基本外観検査、設計フィードバック。 | 金型寿命前提を含むDFMサマリー、CTQの合意公差、試作段階向け簡易管理計画。 |
| 真空注型 | CNCまたは3Dプリントマスターを基準とした、小~中型ハウジング・カバー・外観部品。シリコーン型サイズ内で対応。 | 一般的に±0.20mm前後。マスター品質、全体サイズ、選定PU材質の影響を大きく受ける。 | 外観モデル、機能試作、少量製作(例:1ロット5~30個)で金型コストを抑えたいケース。 | 混合比、脱泡、硬化条件の管理。マスター部品との比較および外観基準による評価。 | 主要寸法のマスター対比確認、色調・光沢・欠陥の外観検査記録、基本的な嵌合確認。 | マスター承認記録、注型条件、色見本、後続ロットで参照する測定メモ。 |
| 3Dプリンティング | 選定した造形方式のビルドサイズ内での試作部品。複雑な内部流路や軽量構造に適する。 | 方式依存。一般的に±0.10~0.30mm。重要部位はRFQ段階で局所的に管理条件を合意。 | コンセプトモデル、初期設計検討、組立・嵌合確認、治具など、金型不要な用途。 | 形状・材質に基づく方式選定、造形方向の最適化、必要に応じた後加工の提案。 | 主要部位の簡易寸法確認、相手部品との嵌合チェック、指定時の表面状態確認。 | 造形レポート(方式・材質)、後処理内容、CNC加工・成形への移行提案(該当時)。 |
| レーザー加工 / 砂型鋳造 | レーザー:機械テーブルサイズ・板厚範囲内の板金部品。砂型鋳造:鋳造ラインおよび後加工範囲内の大型構造部品。 | レーザー:板厚・仕様に依存。砂型鋳造:鋳造公差+重要面の加工代を前提に管理。 | レーザー:平板部品、ブラケット、ブランク材。砂型鋳造:重量・コストバランスを重視する大型構造部品。 | レーザー:ネスティングと熱影響管理。砂型鋳造:湯道・押湯設計とCTQ部の加工代定義。 | レーザー:外形・穴位置の寸法確認。砂型鋳造:基準面・機能面の機械加工後検査。 | 加工・鋳造証明書(該当時)、機械加工検査報告、残肉・仕上げ代に関する合意事項。 |
部品仕様が工程選定の境界にある場合(例:CNC加工か3Dプリンティングか、ラピッドツーリングか本格的な輸出金型かなど)、図面と使用条件をご共有ください。安定性を重視した最適ルートをご提案します。
CNC加工の公差は一般部で±0.05mm程度が目安です。治具設計、基準構成、検査計画を事前に定義することで、重要基準部では±0.01mmクラスまで対応可能です。表面粗さ、材質、部品剛性が安定性に影響します。
スイス型自動旋盤加工は、長尺で細径の部品において同軸度・振れ精度が重要な場合に最適です。ガイドブッシュ、最適ツールパス、CTQの工程能力(Cpk)管理により、適正形状では±0.005~0.01mmレンジを実現します。
射出成形金型の納期は、製品形状、鋼材グレード、キャビ数、トライ回数(T0、T1、T2…)に左右されます。DFMと金型設計レビューを早期に行い、トライ段階で成形条件を確定させることが量産立上げ短縮の鍵です。
ラピッドツーリングと真空注型は、本金型を使わずに最終形状・外観に近い確認を行いたい場合に有効です。前者はブリッジ生産やプレ量産向け、後者は少量の外観・機能確認部品に適しています。
CNC加工の対応範囲
当社のCNC加工は、3軸・4軸・5軸加工およびスイス型自動旋盤(走心)加工に対応し、試作から継続量産まで幅広くカバーしています。本セクションでは、実際の対応範囲、一般的な前提条件(制約事項)、および見積依頼(RFQ)や製造性検討(DFM)段階で重視している主なリスクポイントを整理しています。
肉厚、R形状、治具設計に関する設計上の注意点については、CNC設計ガイドライン および 材料ガイド をご参照ください。
角物部品、ポケット加工、ブラケット、プレート形状
対応材料
アルミ合金、炭素鋼・合金鋼、ステンレス鋼、銅合金、および各種エンジニアリングプラスチック(POM、PA、PBT、PC など)。材料選定は図面指定を前提とし、当社の 材料ガイド に基づいて確認します。
サイズ・形状レンジ
一般的な公差目安
表面粗さ・後処理
切削仕上げ状態で Ra 約1.6~3.2 µm が一般的です。形状・公差条件に応じて、ブラスト、アルマイト、めっきなど各種 表面処理 に対応可能です。
主な制約・リスク
複雑形状・段取り削減・位置精度重視部品
適した用途
対応のポイント
5軸加工により段取り回数を削減し、基準面関係を安定させることで、複雑部品の再現性を高めます。主に精密アルミ・鋼部品を対象とし、詳細な可動範囲は3Dデータおよび図面に基づき確認します。
5軸加工を推奨するケース
5軸が過剰となるケース
このような場合は、コストと加工効率を考慮し、3軸/4軸加工を提案します。
細長形状・小径精密部品
主な用途
材料径・加工長
スイス型自動旋盤はガイドブッシュにより、小~中径バー材の長尺加工に最適化されています。対応径・長さの詳細は 設備リスト に記載しており、案件ごとに確認します。
公差・振れ管理
バリ・エッジ品質
部品特性に応じて、機械・ブラシ・手仕上げによるバリ取り方法を定義し、ねじ部・エッジ・シール面が機能要件を満たすよう管理します。
リスク管理ポイント
ガイドブッシュ条件の最適化、安定したクランプ、図面および管理計画への明確なバリ取り基準反映により対応しています。
金型・射出成形
試作金型(簡易金型)から輸出金型まで対応し、量産における「再現性」と「安定した成形条件の確立」を重視しています。 部品設計・金型設計・成形プロセスを一貫して連携させ、初回トライ(T0/T1)、PPAP/FAI、量産までの整合を確保します。
ゲート設計、肉厚、リブ、抜き勾配など設計面の詳細は 射出成形設計ガイド および 材料ガイド をご参照ください。金型着手前に 無料DFM & モールドフロー解析 のご依頼も可能です。
生産数量・寿命に合わせた金型コンセプト
試作金型(簡易金型)
設計検証や小ロット立上げに適した金型です。最終設計に近い形状を維持しつつ、鋼材またはアルミ材を用いて検証サイクルを短縮します。
量産向け輸出金型
長期量産や海外拠点での使用を前提とした案件では、焼入鋼材・冷却最適化・OEM/Tier1向けドキュメントを備えた 輸出金型 を設計・製作します。
キャビ数(取り数)・ランナー設計
用途に応じた樹脂選定と外観レベル
対応材料
用途・認証要件に応じ、以下の熱可塑性樹脂に対応しています:
部品サイズ・外形
外観・表面仕上げ
標準テクスチャや研磨レベル(シボ、半光沢、高光沢など)に基づき指定可能です。ゲート・エジェクタ配置と整合させ、外観不良を最小化します。
インサート成形・二色成形
形状・材料の組み合わせが成立する場合、金属インサート、ねじインサート、硬軟材のオーバーモールドに対応します。
金型全体のスケジュールは、部品難易度、検証深度、安定化までのループ回数により変動します。
DFM
DFM(設計段階レビュー):3D形状、肉厚、ゲート、ベント、リスク部位を確認。必要に応じモールドフロー解析。
金型設計
金型3D設計、冷却・ランナー・パーティング定義、顧客承認。
金型製作
切削、EDM、調整、組立。必要に応じスチールセーフ設計を適用。
T0 / T1
初回トライ(T0/T1):成形、寸法測定、成形条件検証。データに基づき修正計画を策定。
PPAP / FAI
PPAP/FAI:要求に応じた寸法報告、能力評価、提出書類の作成。
量産
合意した条件範囲・検査計画・包装仕様に基づく安定生産。
ヒケ・反り
原因
肉厚不均一、リブ・ボス集中、冷却バランス不良、ゲート位置による局所加熱。
対策
設計:DFMで肉厚比率、リブ再設計、ゲート見直し。
成形:冷却設計、保圧条件最適化、外観基準の事前合意。
バリ・ショートショット
原因
型締力不足、パーティング不良、ベント不足によるバリ、充填圧不足によるショート。
対策
金型:適正型締力、パーティング設計、ベント配置。
成形:速度・圧力・温度を定義した工程条件の標準化。
寸法ばらつき
原因
金型温度、材料含水率、ロット差、摩耗による経時変化。
対策
品質:CTQ管理、定期的な能力評価、再調整トリガー設定。
生産:乾燥条件・金型温調の管理、条件変更の記録。
ラピッドプロトタイピング
ラピッドプロトタイピングは、3Dプリント、真空注型、レーザー加工などを組み合わせ、量産金型に入る前に設計課題を短期間で検証する手法です。 重要なのは「何を確認したいか(嵌合/外観/機能/構造挙動)」に合わせて、最適なプロセスを選ぶことです。
工程別のポイントを深掘りする場合は、3Dプリント材料ガイド と 真空注型 設計ガイド をご参照ください。
| プロセス | 最適な用途 | 代表的な公差 | 制約・注意点 |
|---|---|---|---|
| 3Dプリント | 迅速な嵌合・形状確認、初期デザインレビュー、治具・内部流路など複雑形状の検証(工具投資なし)。 | 一般的に±0.10–0.30 mm程度。コンパクトで支持条件が良い部位は局所的に精度を詰められます。 | 表面性状と精度はCNC加工や成形品と同等ではありません。大きな平面、極薄リブ、長い直線エッジは反り・歪みの影響を受けやすい傾向があります。 |
| 真空注型 | デモやパイロット向けの外観モデル/小ロットで、射出成形品に近い見栄えと挙動が必要な場合。 | 一般的に~±0.20 mmクラス(マスター品質、部品サイズ、PU材の選定に依存)。 | 色味・艶・収縮はロット間やシリコン型の寿命でばらつく可能性があります。シリコン型の劣化に伴い寸法ドリフトが増えます。 |
工具投資なしで形状・組立を高速検証
プロセスタイプ
工業用途のSLA系樹脂プリント、ナイロン系粉末床方式など、形状・剛性・表面要件に合わせて適切な積層プロセスを選定します。
適用しやすい用途
代表的な公差・挙動
多くの形状で、寸法精度は±0.10–0.30 mmレンジです。コンパクトな部位は局所的に精度を詰められますが、薄肉、長尺平面、支持の弱いエッジは、切削品・成形品よりばらつきが出やすくなります。
3Dプリントに頼らない場面:最終工程がCNC加工や射出成形となる部品で、きついしまりばめ/すべりばめ/外観面がクリティカルな評価を3Dプリントだけで確定するのは避けてください。金型・本番工程を確定する前の「判断材料」として活用するのが安全です。
外観重視・機能樹脂の小ロット対応
最適なシーン
真空注型は、射出成形に近い外観・挙動の樹脂部品を短期間で少量必要とする一方、量産金型への投資はまだ早い場合に有効です。
代表的な公差・リスク
寸法は概ね~±0.20 mmレベルが目安です。主なリスクは、厚肉部の気泡、ロット間の色味・艶の変動、シリコン型の経時劣化による寸法ドリフトです。
真空注型を選ばない場面:多ロットにわたり長期で寸法安定性が厳密に必要な場合、または認証用途で樹脂グレード一致が必須な場合は、硬化鋼の射出成形金型と成形条件(成形条件の許容範囲)を定義して進める方が確実です。
板金形状と大型鋳物の概念検証に
レーザー加工
砂型鋳造
試作における役割
レーザー加工品と砂型鋳造品は、機械加工や簡易治具と組み合わせて使われることが多いです。外観や微細部の厳公差よりも、外形、取付、荷重経路(ロードパス)などの検証が主目的のときに特に有効です。
材料・表面処理の対応範囲
本セクションでは、当社で対応実績の多い材料(切削加工/成形)と、その際に起こりやすいリスク、さらに「公差」と「肉厚」を製造観点でどう捉えるかを要点としてまとめています。 図面作成やRFQ(見積依頼)準備の際は、詳細版の 材料ガイド と 表面処理ガイド も併せてご参照ください。
ここにない特殊合金やエンジニアリング樹脂をご指定の場合は、RFQ(見積依頼)にデータシートを添付ください。安定した加工/成形条件(成形条件レンジ)を確認します。
本表は、被削性、典型的なリスク(変形・工具摩耗・バリ)と、リスクとコストを抑えるための公差の考え方を簡潔に整理しています。
| 材料カテゴリ | 被削性 | 典型的なリスク | 推奨公差の考え方 |
|---|---|---|---|
| アルミ合金(例:6061, 6082, 7075) |
易
多くの形状で高い切削能率と良好な面品位が狙えます。 |
薄肉や大きなポケットは加工中に変形しやすく、アルマイトなどの 表面処理 でも寸法が動くことがあります。小径穴やスロットは条件次第でバリが出やすい点に注意が必要です。 |
一般部は±0.05 mm程度を基準に、重要な嵌合部のみ±0.01~0.02 mmに絞って指定するのが安全です。アルマイト品は、仕上げ代の追加や、検査面を「処理前/処理後」で区別して定義することを推奨します。 |
| 炭素鋼・合金鋼 |
中
加工自体は安定しますが、アルミに比べ工具摩耗が大きく、特に熱処理後は顕著です。 |
焼入れ後の歪み、形状周辺の熱影響、強度材での工具摩耗。交差穴や鋭角エッジは、指示がないとバリが残りやすい傾向があります。 |
熱処理「前/後」で公差期待値を分けて指示してください。多くの箇所は一般公差に留め、CMM/ゲージ検査を前提とする基準関連の穴・嵌合部にのみ厳しい公差帯を割り当てるのが合理的です。 |
| ステンレス(例:304, 316, 17-4) |
中
被削性は材質グレードと状態に強く依存し、加工硬化が発生することがあります。 |
工具摩耗、表面の加工硬化、構成刃先により、面品位や寸法安定性に影響が出ます。切りくず排出が悪いとスロットや微細形状でバリが増えやすい点も要注意です。 |
可能な範囲で一般公差は少し緩めに設定し、シール面や機能嵌合など必要箇所に限定して厳しくするのが安全です。厳しい公差は、面粗さ指定や不動態化(パッシベーション)などの要求とセットで明確化すると、工具・検査設計が安定します。 |
| 銅・銅合金(真鍮、青銅など) |
易~中
概ね加工性は良好ですが、粘りがあり長い切りくずが出る合金もあります。 |
エッジのだれ、微細穴でのバリ、取り扱い時の擦り傷。大型品では熱膨張が公差に影響する場合があります。 |
一般形状は±0.05 mm程度の中庸公差とし、シール径や電気接点部などに限定して絞り込むのが効果的です。外観面は、公差だけでなくヘアライン方向や取り扱い条件も併記すると品質が安定します。 |
| チタン・難削材 |
難
熱伝導が低く高強度のため、加工速度が遅く工具条件に敏感です。 |
工具摩耗、発熱、薄肉部の変形。長い突き出しではビビりが出やすく、条件次第で面品位が悪化します。 |
厳しい公差は本当に必要な箇所のみに限定し、その他は余裕を持たせて安定切削を優先してください。薄肉は補助材の追加などを前提に、DFMで工程別の打合せが必要になることがあります。 |
Tip: 迷う場合は、図面にはまず一般公差枠を設定し、CTQ寸法だけを狭い公差帯で明確化してください。加工の安定と検査の集中に繋がります。
本表は、代表的な成形リスク(収縮・反り・応力割れ)と、安定した部品を得るための推奨肉厚レンジを整理しています。
| 材料 | 成形リスク | 推奨肉厚レンジ* | 設計メモ |
|---|---|---|---|
| ABS |
肉厚差が大きいと収縮・反りのリスクが増えます。厚肉ボスやリブ周辺で外観欠陥が出ることがあります。 |
一般的な筐体・構造部品で約1.5~3.5 mm。 |
できるだけ肉厚を均一にし、剛性は肉厚増ではなくリブで確保するのが基本です。外観品は、肉厚レンジに加え、シボ/テクスチャとゲート設計をセットで検討し、フローマークを抑えます。 |
| PC / PC-ABS |
内部応力に敏感で、鋭角コーナーやタッピングボス、締結過多の部位で応力割れが起こることがあります。 |
剛性・透明性要件により約1.8~3.0 mm。 |
内コーナーは十分なRを付け、急激な肉厚変化を避けてください。締結部は可能ならインサートを推奨します。透明PCは肉厚とシボ選定が光学品質に大きく影響します。 |
| PA(ナイロン、GF有/無) |
吸湿の影響を受けやすく、湿度変化で反りや寸法変動が起こることがあります。GF入りは剛性が上がる一方、反り傾向も増えます。 |
無充填で約1.5~3.0 mm、GF入りはやや厚めが目安。 |
リブ・ボスは肉厚比をバランスさせ、反りを抑える設計にしてください。精密嵌合は吸湿による寸法変化を見込み、組立クリアランスや必要に応じた調湿後測定の指定を検討します。 |
| PP / PE |
収縮が大きく、厚肉では反りが出やすい傾向があります。柔らかい部品は測定の再現性が取りにくい場合があります。 |
一般部品で約1.5~3.0 mm、ヒンジ用途はより薄く設計することがあります。 |
滑らかな肉厚遷移を意識し、極端な厚肉は避けてください。リビングヒンジやスナップは実績レンジ内で設計し、公差は寸法値より「機能成立」を重視した帯にするのが現実的です。 |
| POM / PBT 等のエンプラ |
設計が適切であれば寸法安定性は良好ですが、ノッチや鋭角部で応力集中が起きやすい傾向があります。グレードによっては使用環境の影響を受けます。 |
用途により約1.2~3.0 mm(ギア等の機能部品~筐体部品)。 |
抜き勾配と離型方向を意識し、複雑なスライドを要するアンダーカットは極力避けてください。可動部(ギア/カム等)は、肉厚だけでなくR付けと潤滑条件まで含めて設計すると安定します。 |
*上記肉厚レンジはあくまで出発点です。最終値は製品サイズ、リブ設計、外観要求、そしてプロジェクト固有の 射出成形設計 ルールにより決まります。
品質保証・検査体制
品質は“主張”ではなく、測定と記録で示します。 どのように測るか、どのレポートを提出するか、そしてその記録がCTQ・PPAP・FAI要件とどう紐づくかを事前に定義します。
ご要望に応じて提出可能な標準成果物
提供可能な検査・ドキュメント
お客様の品質システムへの合わせ込み
図面の要求に対して「何が測れるか」
寸法・GD&Tの測定手段
表面・材料特性
工程全体での検査のかけ方
検査のステージ
トレーサビリティ・能力管理
生産能力・増産対応
本セクションでは、単発の試作から継続生産へ移行する際の「増産の考え方」を整理します。 設備台数の列挙ではなく、一般的な能力の範囲(目安)と発注レンジを示し、貴社プログラムに対して当社の生産規模が適合するか判断できるようにしています。
単一数値ではなく、実務で使える範囲(目安)を提示
一般的な能力の範囲(目安)
実際の生産能力は品種構成や難易度で変動しますが、以下は金型、切削加工、射出成形において当社が通常どのように能力計画を立てるかの目安です。 最大値を強調するのではなく、計画に使える「範囲」として記載しています。
| 分野 | 対応範囲(目安) | 読み方(実務ポイント) |
|---|---|---|
| 金型(簡易金型/量産金型) | 単発の試作ツールから、難易度と検証ループに応じて年間で複数~数十型の量産/輸出金型まで対応。 | 簡易金型+輸出金型を組み合わせるケースが多く、能力計画には設計・製作・トライ・改修の時間枠を含めます。 |
| 切削加工(CNC) | 多軸マシニングと旋盤セルを組み合わせ、試作・小ロット・定期リピートを月次で並行対応。 | 多品種少量の試作枠と、定期品の枠を工程設計とシフトで切り分け、両立させる運用を行います。 |
| 射出成形 | 小~中トン数帯の複数成形機で、認定ロットから月次の安定供給まで、対象部品を選定して継続対応。 | 金型ごとに計画ショット数と段取り替え方針を定め、新規金型、PPAPロット、安定量産を同一設備群で回せるようにします。 |
補足:大型案件では、RFQ(お見積り依頼)段階で需要予測・安全在庫・バッファ能力をすり合わせ、金型と加工キャパを早期に確保する進め方が一般的です。
単発試作から定期量産ロットまで
数量レンジの目安
当社の生産計画は、よくある3つの発注形態を前提に組み立てています。下記は一般的な目安で、特殊条件は個別に協議可能です。
1–20 pcs(切削加工、3Dプリント、真空注型、サンプル成形)。設計検証、製造性(DFM)フィードバック、最適工法の見極めを重視します。
50–5,000 pcs(工法・サイズにより変動)。パイロット、サービスパーツ、プレシリーズ、立上げ初期ロットで多いレンジです。
10,000+ pcs(金型・条件がロックできる部品が対象)。月次/四半期など、呼出し(コールオフ)パターンに合わせた供給が可能です。
想定数量と立上げ/終息の計画をご共有いただければ、切削のみ、簡易金型、量産金型のどれが最もコストと安定性に優れるか、現実的なルートをご提案できます。
計画用の範囲です。難易度と検証ループにより変動します。
| 工法 | 標準リードタイム(目安) | 補足 |
|---|---|---|
| 切削加工(CNC) | 試作:目安は見積時に提示/多工程品・大ロットは延長。 | 材料手配、治具難易度、検査深度で変動します。条件が確立したリピート品は短縮しやすい傾向です。 |
| 3Dプリント | データ確定後:目安は見積時に提示。 | 形状確認・組立検証に最短ルートです。表面処理や塗装が必要な場合は追加日数が発生します。 |
| 真空注型 | マスター、シリコン型、注型を含め:目安は見積時に提示。 | 数量、色指定、必要なシリコン型数により変動します。 |
| 簡易金型(試作金型) | DFM承認後:初回トライ(T0/T1)までの目安は見積時に提示。 | 試作と量産金型の中間に位置づけ、長寿命金型より検証ループを短く設計します。 |
| 量産金型 | DFM、金型設計、製作、T0/T1 を含め:目安は見積時に提示。 | 多個取り、複雑スライド、高外観要求は延長要因です。PPAP/FAIや追加トライは計画に織り込みます。 |
※上記は計画用の目安です。 最終リードタイムは見積時に確定し、部品難易度、材料納期、PPAP/FAIなどの書類要件、合意した検証ループ回数を反映します。
エンジニアリング支援・DFM
当社のエンジニアリング支援は製造プロセスの一部であり、個別の有償サービスとして販売するものではありません。 鋼材を削り始める前、設備手配を確定する前に、CADと図面を技術視点でレビューし、手戻りリスクを抑えつつ、工程選定を品質目標に合わせて整合させます。
工程別の設計ポイントは、CNC加工 設計ガイド、射出成形 設計ガイド、真空注型 設計ガイドをご参照ください。
製造確定前に確認するポイント
形状・製造性(DFM)
DFMでお戻しする内容
鋼材を切る前に重要論点を潰す
モールドフローで確認する代表項目
結果の使い方
治具・工程計画
モールドフローとDFMのアウトプットを、治具構想と検査計画へ連動させます。同一のリスクマップを、金型・成形・品質チームが共有できる状態にします。
エンジニアチームへお戻しする内容
DFMドキュメント
RFQ(お見積り依頼)への組み込み
技術レビューは、通常、見積と納期確定の前に完了します。金型が複雑な案件や厳公差プログラムでは、事前にエンジニア同士でDFMラウンドを設け、リスクと受入基準を合意することを提案する場合があります。
エンジニア向けヒントPractical
DFMは形状と公差のリスクを可視化し、モールドフローは樹脂が「実際にどう流れて冷えるか」を示します。両者を組み合わせることで、金型着手前にゲート、肉厚方針、公差バンドを決められ、初回トライのショットが図面要求と機能により近い状態からスタートできます。
3Dデータ、図面、想定数量をご共有ください。金型や治具に投資する前に、現実的な製造ルートに落とし込めるかを技術視点で整理します。
リンク先は無償DFM・モールドフロー相談専用フォームです。必要に応じてNDA対応も可能です。
実案件での実証
当社の製造能力は、航空宇宙、自動車、医療、電子機器、ロボティクスといった要求水準の高い分野で実証されています。 以下では、各業界における代表的な部品、技術課題、そしてその解決アプローチを簡潔にまとめています。
RFQ(見積依頼)前の理解を深めるために、業界別ページ および 事例一覧(導入事例) もあわせてご覧ください。
軽量構造 × 高いドキュメント要求
代表的な部品
主な課題
解決方法
ブラケットから駆動系の機能部品まで
代表的な部品
主な課題
解決方法
医療機器・検査装置向け部品
代表的な部品
主な課題
解決方法
コネクタ・筐体・放熱部品の精度
代表的な部品
主な課題
解決方法
モーションシステム向けの再現性ある精度
代表的な部品
主な課題
解決方法
航空宇宙向けの高精度ブラケット・軽量構造の管理事例 → 航空宇宙 CNC・3Dプリンティング事例
EV向け自動車ブラケット・ハウジング・駆動系部品の安定化事例 → 自動車 CNC 加工事例
診断装置向け筐体・カートリッジの外観/機能管理事例 → 医療向け射出成形事例
補足: 上記はOEM、Tierサプライヤー、技術志向の商社様と協業した代表例です。個別案件の詳細はNDA締結後、技術打合せの中で共有可能です。
次のステップ
当社が適切なパートナーかどうかを最短で判断する方法は、CADデータと要求条件を当社の工法・設備・生産能力に照らして確認することです。 単なる価格確認ではなく、図面を「工程・検査・リスク」の視点でレビューし、発注前に懸念点と選択肢を整理します。
実務的な検討に必要な最小セット
1. CAD・図面
2. 材料・数量
3. 表面処理・検査要求
ヒント: まだ確定していない項目があっても、現時点の前提条件を共有してください。工法選定と納期の「現実的なレンジ」を提示できます。
ご返信内容のイメージ
4. 重要公差・重要特性
ご提供する内容
回答の目安
CADと基本要件が揃った一般的なお見積り依頼(RFQ)の場合、初回の対応可否判断とDFMコメントは概ね1営業日程度でご連絡します。複雑な金型や複数部品の案件は、追加の打合せが必要となる場合があります。
安全なフォームからファイルと要求条件を共有してください。単一の価格提示ではなく、対応可否、リスク整理、現実的なスケジュールレンジをセットでお返しします。
いずれも安全なお問い合わせフォームを開きます。先にNDAが必要な場合は、お手持ちの書式を添付いただくか、当社標準の NDAテンプレート もご利用いただけます。
SPIと協業する
SPI(中国・東莞)は、CNC加工と射出成形を中心に、品質文書と工程管理を重視したものづくりを行っています。
厳しい公差加工、文書化された検査、迅速なエンジニアリング支援を組み合わせ、RFQ(見積依頼)から量産立上げまでを円滑化します。トレーサビリティと監査対応の品質記録(検査成績・履歴)を、要件に応じて提出可能です。
図面と要件をご共有ください。見積確定前の段階で、現実的な公差設定、表面仕上げの注意点、検査計画(測定方法・提出物)のたたき台をエンジニア視点でご提案します。
STEP/IGES を添付し、公差・表面仕上げ・検査要件のメモを追記する場合は、[お問い合わせ]フォームをご利用ください。
メールでのやり取りをご希望の場合は、[お問い合わせ]フォームよりご連絡ください。DFMの注意点や加工のポイントをまとめた技術情報の配信をご希望の方は、その旨を記載ください。